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【事例】退職代行の連絡を無視した結果とは?後悔しない会社側の対応

【事例】退職代行の連絡を無視した結果とは?後悔しない会社側の対応

今では幅広い年代の退職希望者が利用する退職代行サービスについて、「退職代行サービスをもし使われたら連絡を無視しても大丈夫なのか」「退職代行業者からの連絡を無視したことで会社にデメリットはないか」と不安になっている担当者は少なくありません。

退職代行サービスを使われないことが一番であることは確かですが、もしも退職代行サービスを使われたときのことも考えて会社側の対応について知識をつけておけば、退職代行サービスからいきなり連絡が来て焦る、ということもありません。

今回は人事や総務担当者に向けて、退職代行サービスの連絡を無視した結果とトラブル事例、退職代行サービスの連絡を無視せずどのように対応すべきか、トラブルになって後悔する会社側の対応と会社にとってのデメリット、退職代行サービスを使われないための会社側の対応を解説していきます。

退職代行サービスについて「退職代行サービスを使うなんてクズだ」というネガティブなイメージが先行している担当者にとっても、退職代行サービスをうまく利用してより効率的に退職手続きを進めるためのヒントになる内容ですので、ぜひ確認してみてください。

目次

【実例5選】退職代行の連絡を無視した結果こうなった!会社側の対応によるトラブル事例を紹介

退職代行サービスとは退職希望者の代わりに会社へ退職の意思を伝えるというサービスであり、退職希望者は会社に行かずに退職できるというものです。

ただし、実際に退職代行サービスを使われたことがない会社や初めて使われて対応方法を探している会社の中には、「退職代行サービスの連絡を無視しても問題ないのでは」と考えている担当者がいるかもしれません。

しかし、大前提として会社を辞めたいという意思表示をしてから2週間が経つと自動的に退職が成立すると法律で定められており、退職代行サービスを使われた場合でも関係ありません。

「退職の意思は退職希望者が直接伝えなければならない」という法律はなく、退職代行サービスの連絡を無視していたとしても2週間で会社に行かずに退職が成立します。

上記の前提をもとにして、ここからは会社側の対応で退職代行サービスの連絡を無視した際にはどんなトラブルに発展して後悔する可能性があるのかを紹介していきます。

退職代行の連絡を無視した会社のトラブル事例① 貸与品を回収できなくなり損失が出た

退職代行サービスの連絡を無視し続けて2週間経過した会社のトラブル事例として、会社がそろそろ直接退職希望者に連絡しようとしたところすべての連絡手段をブロックされており、会社から連絡をとるための手段がなくなっていた、という事例があります。

会社が退職代行サービスの連絡を無視し続けたことは退職希望者にももちろん伝わっていますので、それによって退職希望者が「こんなクズ会社とはもう一切関わりたくない」と判断した場合、連絡手段すべてをブロックされて退職希望者から連絡がない限りは会社側の対応が一切進まなくなります。

その場合、会社としては退職希望者に貸与していたものの回収が一切できなくなるため、今後採用した人材のために新たな貸与品を購入しなければならなくなります。

パソコンなどの高額なものを含めると、会社としてもかなりコストがかさんでしまうというデメリットもあります。

退職代行の連絡を無視した会社のトラブル事例② 退職希望者に直接連絡し続けて報復された

退職代行サービスから会社への連絡を無視しているにも関わらず、退職希望者本人に直接連絡をし続けたところ、退職希望者から嫌がらせだと思われてしまい、SNSで社名が特定できる形で会社側の対応をすべて投稿されてしまい、それがバズったことでブラック企業として拡散されてしまった、という事例があります。

一度SNSへ投稿されてしまうと完全に削除することは難しいため、何度でも繰り返し拡散されてしまうリスクもあり、会社側の対応も追いつかない可能性が高いといえます。

退職代行の連絡を無視した会社のトラブル事例③ 本人から取引先へ会社の悪評を言いふらされ契約を解除された

退職代行サービスの連絡を無視しつづけた結果、「全く対応する気がないクズ会社」と退職希望者の怒りを買ってしまい、退職希望者が社員のフリをしてクライアントだった取引先に連絡し、あえて失礼な態度を取ったりスケジュールを守らずにクライアントに迷惑をかけたりして、それ以降該当のクライアントとの契約が一切見送られた、というトラブル事例もあります。

退職希望者が複数社に同じような対応をしていた場合には、同様のケースが頻発して会社の業績にも影響を与えて後悔が残るという可能性も否めません。

特に、役職についていて複数のクライアントを抱えていた人や、大きな案件のプロジェクトリーダーなどに上記のような対応をされてしまうと、業績への影響はかなり大きくなることが考えられます。

退職代行の連絡を無視した会社のトラブル事例④ 従業員に無視してることを知られてしまい、さらに退職希望者が増えた

退職希望者ではなく会社に残っている社員が退職代行サービスの連絡を無視し続けている会社側の対応に気づき、どうせこのようなクズ対応をされるのなら退職代行サービスで辞めた方がマシだと思われた結果、続々と退職代行サービスによる退職希望者がでた、というトラブル事例もあります。

また、退職希望者が増えると退職希望者が担っていた業務は残っている社員へ振り分けられることになってしまうという負の連鎖が始まるため、これまで以上に業務負担が増えてさらに退職希望者の増加が加速してしまったケースもあります。

退職代行の連絡を無視した会社のトラブル事例⑤ ブラック企業としてのイメージがついて新規採用ができなくなった

退職代行サービスを使ったにも関わらず連絡を無視し続けられた退職希望者がSNSで投稿した結果、該当の投稿がバズってしまい数多くの人の目に止まったことで会社に対する批判コメントも溜まり、会社としては炎上に近い状態になってしまったというトラブル事例があります。

このようなトラブルに発展してしまった場合、クズ会社やブラック企業として情報が拡散されている会社へ入社したいという人はいないため、いくら採用活動を行っても入社したいという人が減ってしまい、採用活動が難航してしまうことも想像に難くありません。

退職代行を使われた会社側の正しい対応とは?効率的な進め方と退職代行の活用法

退職代行を使われた会社側の正しい対応とは?効率的な進め方と退職代行の活用法退職代行サービスの連絡を無視した結果、会社がどのようなトラブルに巻き込まれて後悔が残る可能性があるのかについて上記で解説してきましたが、続いて退職代行サービスを使われた際の正しい会社側の対応について解説していきます。

退職代行サービスの連絡を無視しても会社としては意味がなく、2週間後には退職が成立してデメリットやトラブルのリスクが高まってしまいますが、これから紹介していく連絡があった際の正しい会社側の対応さえ知っていれば、それらを回避して効率的に退職手続きを進めることができます。

そのため、退職代行サービスの連絡を無視するのではなく、むしろうまく活用することで会社側の対応やそれに関わる負担を減らすことにも繋がりますので、ぜひ担当者は確認してみてください。

退職希望者の流れ 退職代行サービスが行う連絡の流れ 退職代行を使われた会社側の対応
退職希望者が退職代行サービスに依頼(退職届の作成・発送など) ①退職代行の実施
②退職希望者の情報と退職の要望を伝える
①退職代行の実施
②入社書類と照らし合わせて退職希望者の本人確認を行う
③退職届の提出を依頼する
④退職届を確認し修正依頼か受理する
退職届の修正や貸与品の返却 ③退職届の修正依頼があれば退職希望者へ連絡
④会社に返却が必要な貸与品を退職希望者へ伝える
⑤回収したい退職希望者の私物を会社へ伝える
⑤貸与品の返却依頼と退職希望者の私物を郵送する
郵送された退職書類を受け取る ⑥退職書類の発行依頼があれば会社へ伝える ⑥依頼された退職書類を発行する

退職代行を使われた会社側の対応① 退職代行サービスの運営元について確認する

退職代行サービスと一括りにしていますが、退職代行サービスは運営元がどこになっているかによって大きく3つに分類することができます。

運営元は労働組合弁護士、民間の退職代行業者となっていて、労働組合と弁護士は退職に関する対応範囲が同じであり、有給休暇の消化や残業代、退職金の請求などを会社と行う権利があります。

一方で、民間の退職代行業者だけは一切会社と交渉することができません。

ただし、民間の退職代行業者の場合も「退職したい」という退職希望者の意思を伝えることに違法性は全くありませんので、民間の退職代行業者だからといって連絡を無視していると手続きを取ることもできずに退職が成立してしまいます。

3種類の運営元のうちどこが運営する退職代行サービスから連絡がきても、2週間で退職が成立するという事実は変わりませんので、退職代行サービスの連絡を無視すべきではありません。

退職代行サービスに関する基礎知識をつけてから会社側の対応について知りたいという人は、先に下記の記事を確認しておくことがおすすめです。
▶退職代行とは?使われた会社の疑問解消。本人に連絡してはいけないのか

連絡を無視せず逆に退職代行を活用する方法

退職代行サービスから唐突に連絡があったことに驚く担当者は多いですが、会社側の対応のなかで退職代行サービスに向かって「クズ」「ありえない」などと暴言を吐いたり連絡を無視し続けたりしても、結局退職希望者に直接連絡できないという事実は変わりません。

社内で決められた退職手続きの中で、退職希望者が記入すべき書類などがあれば退職代行サービス経由で早めに伝えておくことで、会社側が待たされることがなくなるため余裕をもって対応することができます。

退職代行を使われた会社側の対応② 入社書類と照らし合わせて退職希望者の本人確認を行う

退職代行サービスからの連絡の中で、退職希望者の情報として部署名、雇用形態、名前などが伝えられるため、会社側の対応として入社書類の情報と比較し、退職希望者の本人確認を行いましょう。

このとき本人確認を忘れてしまうと、別の社員の退職手続きを進めてしまって取り返しのつかないことになってしまったという事例もあるため、会社側の対応として忘れないように注意が必要です。

連絡を無視せず逆に退職代行を活用する方法

本人確認と言いながら退職代行サービスの連絡を無視して退職希望者に繰り返し連絡しても、会社にとって時間が無駄になってしまうだけでなく、退職代行サービスからも会社から退職希望者へ直接連絡しないよう繰り返し連絡が来ることになってしまうため、結局担当者が余計な時間を取られてしまいます。

退職代行サービスを通じて連絡している時点で会社から退職希望者本人に連絡したとしても対応してもらえることは考えられないため、会社側の対応としては退職代行サービスから伝えられた情報をもとに本人確認を進めていくことをおすすめします。

いつでも退職手続きを進められる状態にしておいた方が効率的であり、担当者の業務を圧迫することもなくなります。
▶退職代行を使われたら本人に連絡してはいけない理由5選!8つの注意点も解説

退職代行を使われた会社側の対応③ 退職届の提出を依頼する

会社側の対応として、退職手続きを進めるにあたって指定フォーマットでの退職届の提出が必要であれば、その旨を含めて退職代行サービスに伝えて退職希望者の自宅に郵送しておきましょう。

そのほか、退職手続きにあたって何か書類の取り交わしが必要な場合には郵送でやりとりすることになるため、会社側の対応として退職希望者に提出してもらう必要があるものがあれば同時に送っておくと効率的です。

連絡を無視せず逆に退職代行を活用する方法

退職代行サービスを使われたケースでは退職希望者とのやりとりは郵送で行うことになりますが、記入例などを同封して郵送しておけば担当者が退職代行サービスに対して口頭で説明する時間を省くことができます。

また、退職希望者側で退職届の書き方についてよくわかっておらず、何度も記入ミスがあって書き直しを依頼しなければならないという会社側の対応にかかる手間も減らすことができます。

退職代行を使われた会社側の対応④ 退職届を確認し修正依頼か受理する

退職希望者から郵送で退職届が届いたら、修正すべき部分がないかを確認しましょう。

修正についても郵送でやりとりを行うことを考えると、できるだけ到着してから早い段階で確認しておくことをおすすめします。
そして、もしも修正箇所があれば退職代行サービスを介してどこをどのように修正すべきなのかを伝えて再提出の依頼を行いましょう。

修正すべきところがなく提出された退職届で受理が可能であれば、受理して社内の退職手続きを進めていきます。

連絡を無視せず逆に退職代行を活用する方法

退職代行サービスを通じて退職届の修正依頼をする場合、どこをどのように直せば良いのかを具体的に退職代行サービスに伝えましょう。

退職届について郵送でやりとりすることで、発送日がわかれば到着までの期間に目途をつけることができるため、退職手続きを進めるにあたっての事前準備を行うこともでき、会社側の対応を効率的に進められる可能性が高くなります。

退職代行を使われた会社側の対応⑤ 貸与品の返却依頼と退職希望者の私物を郵送する

会社から貸与しているものでまだ返却されていないものがあれば、その旨を退職代行サービス経由で伝えましょう。

貸与品がたくさんあるのであれば一覧化して退職希望者の自宅に書面を郵送することも問題ありません。
また、退職希望者から私物の返却依頼があれば、すべて郵送にて対応しましょう。

退職希望者から私物は破棄してほしいとの希望があった場合には、会社で処分してしまって全く問題ありません。

連絡を無視せず逆に退職代行を活用する方法

会社から退職希望者へ直接連絡してしまうと、前述しているようなさまざまなトラブルに巻き込まれてしまう可能性もありますが、退職希望者の自宅へ書面での通知を行うことは全く問題ありません。

そのため、会社側の対応が増えないよう確実に漏れなく対応してほしいことがある場合には、書面で通知した方が確実だといえます。

退職代行を使われた会社側の対応⑥ 依頼された退職書類を発行する

退職希望者から発行依頼があった退職後に必要な書類源泉徴収票離職票など)については、できるだけ迅速に発行しましょう。

退職書類についても郵送することになるため、迅速に対応しておくことで余計なトラブルに発展して後悔する可能性を回避できます。

連絡を無視せず逆に退職代行を活用する方法

会社側の対応として、発行義務のある退職書類は必ず発行して送付しましょう。

また、発行義務のない退職書類であっても、基本的に発行希望があったものはすべて発行したほうが無難だと言えます。

「発行義務がないから」という理由で発行することを拒否していると、「クズ会社から嫌がらせされた」「退職書類も発行してくれないなんてクズすぎ」などと変に退職希望者の恨みをかってしまい、SNSや口コミサイトに投稿されて会社の世間的な評価が下がるなどのトラブルや後悔を避けることができます。

会社側の対応がトラブルに?連絡を無視する以外にもトラブルを呼ぶ対応とデメリットとは

これまで解説してきた内容をお読みいただけた方であれば、退職代行サービスの連絡を無視すると退職希望者と連絡が取れなくなったり貸与品を回収できなくなったりするなど、デメリットが多いということをご理解いただけたかと思います。

ただし、退職代行サービスの連絡を無視する以外にも、デメリットやリスクに繋がる可能性のある会社側の対応は存在しています。

下記では、退職代行サービスの連絡を無視する以外でトラブルの引き金になってしまう会社側の対応とそれによって考えられる会社にとってのデメリットについて紹介していきますので、会社側の対応を考えるうえで一度目を通してみてください。

トラブルを呼ぶ会社側の対応① 怒りに任せて連絡する

退職代行サービス事業者からきた突然の連絡に混乱してしまう気持ちは分かりますが、退職代行サービスに対して「直接言えないなんでクズだ」と怒りをぶつけて退職を拒否しても退職希望者へ届くことはないほか、会社を辞めたいという気持ちが変わることもありません。

そのため、退職代行サービスから伝えられた情報や退職に関する要望について冷静に対応して、スムーズに退職手続きを完了させたほうが会社側の対応としても無駄な労力を使わなくて済みます。

この会社側の対応によるデメリット:怒りをぶつけるだけで退職手続きが進まず気づいたら2週間後に退職が成立していて、引き止めにならないことはもちろん、退職希望者や退職代行サービスと一切連絡がとれなくなり会社側が困ることになる

トラブルを呼ぶ会社側の対応② 無理やり引き止めようとする

退職代行サービスを使うというのは退職希望者にとっても会社を辞めるうえでの最終手段であり、会社側の対応として無理に引き止めようとしても退職希望者の決意が変わることはまずありません。

むしろ、退職希望者はすでに会社と直接やりとりすることに恐怖を感じている可能性すらあるため、引き止めようとして直接連絡したりすると逆効果だといえます。

このような会社側の対応は、退職希望者からの会社の印象をどんどん悪化させてしまう可能性を高めてしまいます。

この会社側の対応によるデメリット:退職希望者から会社へのイメージがどんどん悪くなりSNSで「嫌がらせばかりするクズ会社」などと拡散される

トラブルを呼ぶ会社側の対応③ 有給消化や退職書類の発行を拒否する

会社を辞める際の有給消化は付与対象になっている労働者の当然の権利であり、会社側が拒否できるものではありません。

また、退職書類についても会社に発行義務があるものは拒否できないことはもちろん、希望があった書類に関しては拒否せず、基本的にすべて発行すべきだといえます。

それらを拒否した場合には、退職希望者は「クズ会社からの嫌がらせだ」「やっぱりクズ会社だった」と認識するのが一般的であるため、SNSなどで会社側の対応について投稿されてもおかしくないでしょう。

この会社側の対応によるデメリット:SNSや口コミで拡散されて、「法律も守らないブラック企業」「クズ会社」のレッテルを貼られる

トラブルを呼ぶ会社側の対応④ 無理に損害賠償請求する

実際に退職希望者が辞めたことで会社が損害を被ったことを証明できる場合は別として、「退職代行サービスを使って退職したこと」を理由に損害賠償請求しても、会社が勝てる可能性はゼロに近いといえます。

会社側の対応として余計な費用や時間がかかるだけになってしまうため、社員一人の退職にそこまでの労力をかけるよりは、その分のコストや労力を採用活動や社内整備にあてた方が効率的だといえるでしょう。

会社が退職希望者に損害賠償請求した判例については下記の記事で紹介しています。
▶退職代行の即日退職で会社から損害賠償請求なんてあり得る?損害賠償Q&A

この会社側の対応によるデメリット:コストと時間だけを浪費してしまい、結局裁判にも負ける可能性が高い

トラブルを呼ぶ会社側の対応⑤ 弁護士以外の退職代行には対応しない

「弁護士の退職代行サービスには対応するがそれ以外の退職代行サービスからの要望には一切対応しなくてよい」という認識でいると、損をしてしまうのは会社の方だといえます。

前述しているように、民間の退職代行業者が交渉をしてきた場合には非弁行為となるため会社側は対応する義務はありませんが、労働組合の退職代行サービスは団体交渉権を持つため会社側の対応が必要となります。

それでも会社側の対応が見られなかった場合には、退職希望者が労働基準監督署へ相談し何らかの行動をとる可能性もあります。

この会社側の対応によるデメリット:労働組合からの連絡にも取り合わなかったことで労働基準監督署から指導が入る可能性がある。指導に対して是正されていない場合は経営者が逮捕される場合もある。

退職代行を使われない会社になるためにはどうすればいいのか?退職理由別「会社側の対応Q&A」4選

退職代行を使われない会社になるためにはどうすればいいのか?退職理由別「会社側の対応Q&A」4選これまで退職代行サービスを使われた場合の会社側の対応として何が正解で、何がトラブルや後悔のもとになってしまうのか、という観点から解説してきました。

一方で、退職代行サービスを使われた会社側の対応として担当者が気になるポイントとしては、「退職代行サービスを使われない会社になるためにどうすれば良いのか」という点も挙げられるかと思います。

ここでは、一度退職代行サービスを使われた会社が今後使われない会社になるためにどのような対応をすべきなのかについて解説していきますので、担当者はぜひ参考にしてみてください。

退職代行された会社からの質問① 特定のクズ上司を理由に社員が辞めてしまうのですが、どうすればよいでしょうか?

会社側の対応についての回答:部署内で匿名のアンケートを実施する

特定の上司が退職理由になっている場合、今後も該当のクズ上司の下についた社員が立て続けに辞めてしまうことは容易に考えられます。

まずは、社員が辞めてしまう原因となっているのが本当に特定のクズ上司なのかを確認する意味で、部署全体においてアンケートをとって状況を把握することが大切だといえます。

このとき、アンケートの匿名性を高めることによって、クズ上司から退職希望者への嫌がらせなどを見ていた部署内の第三者や該当のクズ上司から同じ対応を受けたことがある従業員が声を挙げてくれる可能性も高まり、それによってより詳細な原因を突き止めることができます。

退職代行された会社からの質問② 長く勤めていた社員なのに、業務量が多いという理由で辞めてしまいました…

会社側の対応についての回答:社員やバイトなどの人数を増やすために採用活動をする

長く勤めているからといって退職希望者が出るたびにその分の業務をすべて任せていると身体的な疲労は溜まる一方で、いつ辞めてもおかしくない精神状況に追い込まれてしまう可能性も高いといえます。

また、該当の退職希望者からすれば、今でも限界が近いにも関わらずこれ以上長く勤めていたら身体的にも限界を迎えてしまう、と感じているかもしれません。

長く勤めているからと任せる業務をただ増やすのではなく、責任ある仕事は長く勤めている社員に任せて、それ以外の部分的な業務を新人に割り振るなど、採用活動を行いながら従業員を補充し、今いる従業員の業務負担を軽減しなければ状況は改善されず、同じことの繰り返しになってしまうといえるでしょう。

退職代行された会社からの質問③ 業務内容が合わないといって入社してすぐの社員が辞めてしまいます。

会社側の対応についての回答:上司との面談機会を全員に与える/部署異動などの制度を整える

入社したばかりの新人こそ、想像していた環境とのギャップや業務内容に対する苦手意識を感じやすいため、上司や人事との面談機会を平等に与えて、少しでも懸念が発生しているのであれば解決に向けて動けるように部署異動などの制度を整えることが会社側の対応として大切だといえます。

一度辞めたいと感じてしまった場合には、引き止めたとしても気持ちが変わったりモチベーションが回復したりすることはまずありません。

一方で、新入社員がすぐに辞めてしまうと会社としてもせっかくかけた採用活動のコストが無駄になってしまうほか、次の採用活動を行うためにさらなるコストが必要になるため、辞める以外の選択肢を社員に与えられるよう会社側の対応を整備するべきだといえるでしょう。

退職代行された会社からの質問④ 該当者を特定できないままハラスメントを理由に社員が辞めました。対策はありますか?

会社側の対応についての回答:定期的にハラスメント講習を行う。匿名のアンケートを取る

日常的なクズ上司からのハラスメントによって退職希望者が恐怖を感じている場合、会社を辞めるときでさえ退職理由として該当者の名前を伝えられない、ということも十分に考えられます。

該当者が分からない場合、会社側の対応としては社内でハラスメント講習を行い該当者自身に気づかせたり、社内全体でリテラシーを高めたりすることでハラスメントの排除に向けた意識を高めることが期待できます。

また、会社側の対応として退職理由となっている該当者を割り出したい場合には、社内全体に匿名のアンケートを実施することも効果的だといえます。

【事例】退職代行の連絡を無視した結果とは?後悔しない会社側の対応、まとめ

今回は、退職代行サービスの連絡を無視した会社はどうなるのかを事例として紹介し、正しい会社側の対応と退職代行サービスの使い方、連絡を無視する以外でトラブルのもとになりやすい会社側の対応、退職理由別に会社側の対応に関するQ&Aを解説してきました。

これまでの内容をまとめると、退職代行サービスの連絡を無視しても会社にメリットはなく、退職希望者からすれば「クズ会社から嫌がらせされた」「退職代行サービスさえ無視するなんてクズすぎる」と感じ、会社のイメージダウンに繋がるような行動をとる可能性も高まります。

また、退職代行サービスの連絡を無視するのではなく、逆に利用してしまったほうが退職手続き自体もスムーズに進むほか、なかなか聞くことができない本当の退職理由も聞くことができて社内改善に繋がるというメリットもあります。

退職代行サービスを使われないことが一番ではありますが、もしも使われた際には本記事を参考にしながら正しい会社側の対応を意識することで、会社にとってもトラブルや後悔を回避することができるでしょう。

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